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わかりやすい年金の学校

年金について、制度や、個人の活用法など、役立つ情報を発信していきます。

日本の行政サービスに積極的な覆面調査の活用を

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2016年2月8日の日本経済新聞に下記の見出しの記事が掲載されました。

障害年金申請書、窓口の8割渡さず 機構が専門員配置へ 」

内容としては日本各地の年金事務所の約8割が、障害年金の支給申請書を希望者に渡していなかったというものです。

 

どうやら、渡すべき人に渡せていなかった模様

これ、どうやって調べたかというと社会保険労務士に覆面調査をさせたようです。要はきちんと知識のある人が(おそらく)規定の条件に沿って申請書を求めたのに、その人たちの8割は申請書をもらえなかったのではないかと思います。

つまり、年金機構の窓口で対応していた人の理解が不正確で、渡すべき人に資料を渡せていなかった(拒んだ?)ということです。

このことについて、年金機構は

「申請に必要な診断書の取得にはお金がかかる。受給条件に該当しない人に申請書を渡し、その人が診断書を取ってしまうとお金が無駄になるので、きちんと調べてから渡した方が良いという意識が強い」

と言っているそうです。ひねくれているだけかもしれませんが、単なる言い訳にしか聞こえません。結果として、年金機構は上記見直しのために、2016年3月から専門的な知識を持った人を、障害年金の窓口に配置したり、書類一式をまとめた「障害年金請求キット」を配布することを決めたそうです。

 

本当に障害年金だけの話か?という話

これを見て、まず思ったのはこういった問題は障害年金に限った話なのだろうかということです。国民年金、厚生年金、遺族年金といった制度も同様に給付には手続きが必要だったりしますし、それを扱うスタッフにも同様に専門的な知識が必要になります。同じように必要な書類を渡せていなかったり、必要な手続きを無視してしまったりという可能性は十分にあると思います。

今の日本年金機構はかつて大きな問題を起こした社会保険庁が引き継がれた組織です。
その問題は未だ解決にいたらない「消えた年金」問題、年金の記録漏れです。その数約5,000万件。そんな大問題を起こしたのが今の年金機構であるわけです。消えた年金問題以降、上述の組織解体等の改革が行われたとはいっても、やはり信頼できるかどうかというのはまだまだ未知数です。

お役所体質からの脱却を

こう感じるのはお役所体質という先入観もあるのかもしれません。日本の公務員の数は約4~500万。一方、日本の労働力人口は約5~6,000万人。公務員は10人に1人程度と言うことになります。目標値がある民間企業に対して、そうした目標を設定しにくい公務員の体質というのは、どうしても厳しく見られてしまうのかもしれません。

ただ、実際に上記の消えた年金問題にみられるように、それは決して誤りだともいえません。やはり、日本年金機構にはこうした体質からの脱却が求められると言えるでしょう。

 

積極的な覆面調査(ミステリーショッパー)の実施を

ですから、個人的に思うのはこうした覆面調査を定期的に、かつさまざまな分野で行ってほしいということです。民間企業を見れば、覆面調査員による定常的なリサーチというのは珍しくありません。

民間・行政で広がりつつある覆面調査

たとえば、ミクシィ・リサーチでは訪日外国人を装った覆面調査員をリサーチに用いることで、店舗型サービス業に対する外国人向けサービスの品質向上を促します。また、総務省スマホ販売の実質0円禁止を確かめるために、覆面調査を実施することを2016年の2月2日に発表しています。覆面調査というと飲食店、ミシュランといったイメージが強いように思いますが、最近ではさまざまなジャンルに普及し、その効果も認められるようになっています。

意外なところでは象牙の登録業務を行う日本の団体への覆面調査というのも、2016年の1月にありました。象牙は密猟などが問題視されていますが、その多くが日本の制度の抜け穴を利用して、密輸、違法な取引をしようとしていたそうです。このことはアメリカに本部を置くNGOである「エンバイロンメンタル・インベスティゲーション・エージェンシー(EIA)」が、日本の象牙団体を覆面調査したことで発覚しました。

また、わずかではありますが行政でも覆面調査は広がりつつあります。大阪府熊本県においても、近年では積極的に覆面調査が行われており、行政サービスの質をチェックする試みも始められようとしています。地方自治体が先導している現状を憂いで、国としてもっと積極的にこうした取り組みをしてほしいと思うのです。

 

マイナンバー制度が施行された今だからこそサービス品質の向上を

そのように考えるもう1つの理由は、2016年から始まったマイナンバー制度です。ご存知のように日本で初めて開始されたものであり、各種年金制度よりもさらに、申請するほうもそれを対応するほうも不慣れであるわけです。

それでいて、非常に多くの個人情報を扱います。ここでのサービスの誤りは非常に大きな問題に発展する可能性があります。まだサービスが開始されて約1か月の今だからこそ、障害年金での対応ミスを教訓に早期の改善をしてほしいものだと思います。

 

 

以上、お読みいただきありがとうございました。