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わかりやすい年金の学校

年金について、制度や、個人の活用法など、役立つ情報を発信していきます。

年金における男女間格差の問題について

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第3号被保険者問題の現状

現状、日本の年金制度においては、男性と女性のあいだで、支払い方法や額の差があります。最も大きなことは第3号被保険者問題と呼ばれるもので、夫は正社員、妻は専業主婦という家庭に関してです。第3号被保険者問題とは、簡単に言うならば、自営業や独身者の女性は自身で年金保険料を納めているのに、サラリーマンの専業主婦の奥さんが自身で保険料を払っていないのに年金を受給できることに対する批判です。

つまりは、男性は保険料を払わなくては年金をもらえないのに対し、サラリーマンの専業主婦の場合には払わずとも年金を受給できてしまう、これが男女間格差の例です。また、上記のように女性の間においても、サラリーマンの専業主婦と、それ以外の女性については格差があると言えるでしょう。これらについては多くの批判がありますが、それぞれの価値観の違いや、既得権益による保守的な行動もあり、未だどう解決するかの道筋は十分に見えていません。

 

背景にある男女の社会待遇の違い

このような問題にはいくつかの背景が有ります。まず、出てくるのは男女間によこわたる仕事での待遇の違いです。男女雇用機会均等法が施行されて30年近くがたち、女性の社会進出は大きく進んでいます。

男女雇用機会均等法では変わらなかったこと

しかしながら、変わっていないところも決して少なくありません。実際のところ、日本では結婚や介護を機に仕事をやめ、そのまま専業主婦になる方が今でも大半です。今の時代は経済状況もあるのでしょうが、専業主婦になりたいと考える女性も多くいるようです。男性の働き方という面でも、家事に参加することを求められながらも、未だ家事を女性に依存している面が非常に大きいといえるでしょう。また、仮に女性が出産後に就業をしたとしても、賃金や待遇面での差というのが出てきます。この辺りも、前述の3号制度が求められる背景となっていると思われます。

このことを考えると、3号制度を排してしまうと、今の日本のように男女間格差のある雇用慣行のもとでは、それが年金の給付額にも反映され、女性にとっては低年金化を招きかねないという問題が生じてきます。また、3号制度については、専業主婦は子持ち世帯が多いために出生率の上昇に貢献しているというような声があったりと、各ステークホルダーの利害が対立することからも、制度をすぐにどうするということも決して簡単ではありません。このように、年金における男女間格差、また女性間の格差には多くの批判はあるものの、現在のところ簡単に変えられる状況にはないと言っていいでしょう。

 

スウェーデンでの対応策

このあたりをうまく対応しているのがスウェーデンという国です。女性が十分な額の年金をもらえる制度が整っています。理由は大きく2つあります。まず、スウェーデンは日本より、女性の就労率が高い環境です。これは保育所や、周りの配慮が充実しているためです。つまりは、働きやすい環境をつくりあげることで、短時間であろうとも働ける女性を増やし、そもそも専業主婦という存在を希少にしているのです。

また、2点目として、女性が出産等を理由に就業を中断をした場合には、国から手厚い所得補償が行われ、そこから年金保険料が払われることになっています。これも働くことありきなのですが、もし仕事を休んだとしても働いている時と同様に近いだけの所得を保証しているわけです。これなら、安心して仕事を休むことができるのです。

もし、日本でもスウェーデンと同じような制度であれば、第3号制度に頼ることもなく、年金制度の運用をすることもできるはずです。また、近年議論にもなっている、所得比例年金の導入といったことも検討できるでしょう。今後の年金制度においては、流動化する日本の雇用慣行や現役時の所得補償なども合わせて、より良い制度にすることが求められます。

 

第3号制度については今後もこのブログで取り上げていきます。また、当ブログでは他にも年金問題に関する記事を多数扱っています。下記におすすめの記事を記載していますので、ぜひともご覧になってみてください。3号問題に関心のある方にとっては、きっと役立つ情報があると思います。

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