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日本の消費税とその課題

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停滞していた議論

2014年4月より、消費税が8%となることが決まりました。その1年後には10%とすることも検討内容となっています。ここまでの経緯は決してスムーズなものではありませんでした。

増税への経緯

さかのぼること2010年8月、参議院選挙の幕が開けると、当時の首相であった菅直人氏は消費税引き上げを標榜しました。いきおいこんで言ったはいいものの、それからは各方面からの意見に流される形で、低所得者向けの優遇策の検討がはじまり、その内容自体も右へ左へと揺れ動きました。

増税への流れは徐々にトーンダウン

結局、2010年夏に掲げた言葉は徐々にトーンダウンしていくのです。他にも、消費税の逆進性対策や、課税制度自体の見直し、海外諸国にならうインボイス制度、非課税取引についてなど、検討すべき課題があったこともその要因であったと思われます。

2012年に再度議論は活発化

それが、2012年の野田政権でこの議論が再燃することになり、2012年の夏頃には衆議院・参議院の両方で法案が可決をすることとなりました。しかしながら、その後も議論が順調であったわけではありません。民主党政権から自民党政権に代わり、安倍政権となったあとも、しばらくはこの点について議論が続きました。最大の焦点は、増税することによる景気と財政への影響です。実際のところ、前回の増税時である1997年に3%から5%になった時には、景気は大きく冷え込みました。

 

海外と比べる日本の消費税

しかしながら、上記のような議論をなかば置き去りにした形で、消費税の導入が決まることとなりました。客観的な視点を持つためにも、本記事では、日本の消費税と諸外国との比較をご紹介します。簡単な内容にはなりますが、消費税について調べる際のご参考にしていただけたら幸いです。

消費税8%は実は高くない?

さて、改めて日本の消費税は8%になることが予定されているわけですかが、実は他の国と比べればこの数値は決して高いものではありません。

諸外国の税率はどれくらい?

例えば、欧州諸国の消費税率は軒並み20%前後であり、デンマークやノルウェー、スウェーデンでは約25%です。一見すると、日本の消費税はまだまだ低いのだから、もっと上がって当然であると考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、気をつけなければならないのは、当たり前ですが、各国において各種条件が違っているという点です。

それらを考慮せず、日本の消費税が低いとは言えるものではありません。

 

比較をする際に考慮したい2つの視点

海外と日本の消費税を比較する際に留意したい2つのポイントがあります。

1. 徴収方法の違い

まず、比較に用いられている消費税率は標準税率にすぎず、ほとんどの国では複数税率が採用されており、食料品などの生活必需品のようなものには、軽減税率、もしくはゼロ税率が適用されているという点です。

つまり、一見、税率が高く見える欧州諸国でも、生きていくのに必要な多くのものについては、かなり低い税率が設定されていることが少なくありません。

2. 消費税の2つの種類

また、消費税には一般消費税と個別消費税の2種類がありますが、海外と比較をされる際には、このうち一般消費税での比較にしかすぎません。一方で例えば、揮発油税や酒税、たばこ税などの個別消費税については、実は日本は決して低くはないのです。つまりは、消費税以外にも、さまざまな場所で税金をとられている商品があるということです。そう考えると、数字上は8%や10%だったとしても、国民が感じる負担というのは、それ以上になるということです。

日本の消費税は決して高くはない

このように、個別消費税と一般消費税の両方を合わせて考えた時には、日本の消費税が低いという印象はずいぶんと薄らぐはずです。

しかしながら、日本の消費税に課題がないというわけではありません。とりわけ多くあがるのが、その「逆進性」についてです。下記からはこの点についてご紹介をします。

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日本の消費税が抱える課題

逆進的であるという課題

2,014年4月から消費税が導入されることが決まりましたが、その過程は決して順調なものではなく、解決に至っていない問題というのもいくつかあります。そのうちの1つが逆進性についての問題です。

収入が高い人ほど税率が低いという矛盾

逆進的であるというのは、収入が高い人ほど税を負担する割合が低くてすみ、所得が低い人ほど税の負担割合が高くなるということです。例えば、食品などの例がわかりやすいと思います。低所得の人ほど、食材等の生活必需品の購入代が収入に占める割合が大きくなります。そうなると、わずかな消費税率アップだとしても、家計に響くお金は大きくなるということになります。

累進的とは?

逆に、収入が高いほど、収入に対する税の負担が大きいことを累進的であるというふうにいいます。累進的であるということは、すなわち公平(ただし、万人の納得する公平というよりも、金銭的な観点から見た場合)であるというふうに言えます。累進税で一般的なのは所得税であり、その収入の額に応じて、税負担の比率も増えるようになっています。ただ、現在の日本では1800万円以上の年収を持つ人には、所得税40%がかかっており、この点は批判も浴びています。1800万のうち720万円ものお金が税金としてとられることについては、富裕層から多くの批判があがっています。

軽減税率という知恵

このように、貧しい人々の財布に打撃を与える可能性があることが、増税が批判される一つの要因になっています。北欧などでは、通常の税率が高いかわりに、こうした生活必需品の税率を安くする「軽減税率」が適用されています。例えば、フィンランドであれば一般的な税率が23%と非常に高くなっていますが、食料品は14%、医薬品などは9%、新聞購読はなんと0%となっています。このように、「軽減税率」を用いることで逆進性を解消することも検討されています。

 

消費税は本当に逆進的であるかという批判

しかしながら、消費税が逆進的であるということについては、批判的な意見もああります

例えば、消費税の逆進性は1年間で区切った場合は確かに存在するが、生涯の収入とその支払額を考えれば、比例的、つまり累進的に近しくなるというものです。いわれてみればその通りで、低収入と高収入の方では、所得の消費と貯蓄への分配ウェイトが違うことから、逆進性が生じてきます。ただ、仮に全ての人が人生において貯蓄を使い切るとすれば、消費するときには等しく消費税が発生することになりますので、これなら逆進的はないと言えます。

前提しだいによってはこの反論は成り立たない

ただし、この反論については、貯蓄が全て消費に回されるという前提では成り立ちますが、現状そのようなことは決して多くはないために、やはり消費税が逆進的であるというのは、少なくとも現状間違ってはいない問題点となるでしょう。

このように、消費税にはまず、「逆進的」であるという問題があります。今後、この問題がどのように解決されうるかということを、このブログでも少しづつ考えていこうと思います。

 

 

今後10%まで上がることが予想される消費税ですが、ますます議論は盛んになっていくものと思われます。楽観的な意見もあれば、悲観的な意見もあり、情報は錯綜しています。正しい行動を取れなければ痛手を被る可能性もあります。そうした時に話題についていけるように、下記の記事で勉強をしてみてはいかがでしょうか。きっとお役に立つ内容だと思います。

 

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