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全額税方式の年金制度の可能性と是非

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Income taxIncome tax / Alan Cleaver

 

年金制度の主な仕組み

今の年金は賦課方式という仕組みです。現役世代の払込がお年寄りの年金として使われているという形です。この制度は特に少子高齢化に弱いために批判を浴びているわけですが、その代替案として押されているのが主に積立式です。要は個人の貯金のように、自分自身で自分の年金を貯めましょうという考え方です。これはこれで、移行することは簡単ではなく、議論は続いています。

全額税方式とは?

上記2つほど頻繁には目にしませんが、もう一つ特に経済界において支持をされているのが、「全額税方式」という制度です。これは言葉のとおりですが、「基礎年金部分については、保険料の徴収をやめてしまって、すべて税金での支払いにあてよう」という考え方です。

 

全額税方式のメリット

この全額税方式の良い点としては、保険料の不払い問題の解決につながるということです。かつては、1990年前後までは9割近かった国民年金の保険料支払率は、2010年頃には約5、60%程度にまで落ち込んでいます。特に若者世代の支払率の低下は申告で、もはや60%近い人が、国民年金を支払っていないという状況です。

様々な問題が解決する可能性

もしこの全額税方式が採用され、基礎年金が必要なくなれば、国民年金の保険料負担はなくなり、厚生年金の保険料率も今よりは緩和されます。そのうえで、老後に関しては、誰でも年金が受け取れるようになるわけです。

上記のように国民年金の未払いが続くようであれば、将来に無年金者が続発することが懸念されていることを考えれば、非常にメリットのある制度に思えます。さらに、批判のやり玉にあがることのある「3号問題」についても、この制度であれば解決をすることができます。

 

負担の増大というデメリット

上記のようにいいことの多そうな全額税方式ですが、もちろん懸念すべきこともあります。基礎年金等を税で賄うとなれば、当然税金の負担額は増えます。政府が出した試算によれば、消費税率に換算すれば5%前後のアップが必要になるそうです。そうなった場合の年金額等を鑑みると、一言で言えば「会社員と高齢者は若干の損、自営業者やフリーターは結果として得をする」ことになります。

 

しかしながら、消費税が上昇するとなると、どの人もそれまでよりも割高感を感じるでしょうし、またそのことによる景気の冷え込みという懸念点もあります。それまで10000円で買っていたものの消費税額が5%から10%だと、2倍になるわけですから、消費が冷え込むことは十分にイメージすることができます。

このように、全額税方式がなんの問題もない最適な選択かというと、必ずしもそうは言い切ることはできません。

 

最も得をするのは企業体

そんな中、この制度によって必ず得をするであろう人たちがいます。それは法人、つまり会社です。なぜなら、厚生年金を例にとれば、会社は社員の保険料の半分を支払っているわけですから、その支出がなくなるとなれば、大企業ほどずいぶん大きな負担軽減になるはずです。

大企業の負担が大きく軽減される

この数字は年間で約4兆円程度、消費税で言えば約1.5%程度だと試算されています。このことが、冒頭で言ったように、この全額税方式制度が経済界から支持をされている理由です。このように、得する人と、そうでない人が、全額税方式を考えるとよくわかります。いくら経済界から支持をされていると言っても、制度の移行は簡単なことではありませんから、今後もすぐに変えますとはいけませんが、これまで指摘したように優れたところもあり、十分に検討すべきことではないでしょうか。

諸外国の状況はどうなっているのか?

ちなみに、他の国ではどうなのかを考えてみると、カナダ、オーストラリア、デンマークなど税方式で年金が運営されている国として見当たります。ただし、そういった国は始めから税方式で運営されていることが多く、途中から税方式に切り替えた場所はありません。

この辺りも、国の条件が違うという点はありますが、大いに参考になるポイントなのではないかと思います。

お読みいただきありがとうございました(^^)

 

年金の制度や仕組みについて、他にも参考になる記事です。デフレとは違った視点で、年金について紹介していますので、きっとより理解が深まるのではないかと思います。ぜひぜひご覧ください(^^)特に最近話題になっているアベノミクスに触れている「現在の年金制度はどうしてデフレに弱いのか、どのような対策が必要か?」というのは、今を感じられるだけに、よりリアルに年金について考えるきっかけになるかと思います。

 

 

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