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わかりやすい年金の学校

年金について、制度や、個人の活用法など、役立つ情報を発信していきます。

年金制度の重要性、社会的な意義について

年金の仕組み

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Grand fathers
Grand fathers / yoshimov

 

公的年金制度の現状

年金制度というと、最近のニュースでは悪いことばかりが流れます。社会保険庁による記録漏れがあったですとか、若い世代は負担ばかりが増えて払い損になってしまうとか、受給開始の遅れ、保険料率の上昇など、特に若い方には良いイメージはない方が多いかもしれません。中には、今後継続するかもわからないし、問題だらけなら、年金制度なんてやめてしまったほうがいいのではと思っている方もいるのではないでしょうか。

まだある国の財源

このように、危ぶまれている公的年金ではありますが、多くの方が言っていますように「破綻」という憂き目には陥らないであろうという想定がされています。というのも、例えばですが、若者の未納の問題が取り上げられそれゆえに破綻という話もされていますが、実はこの未納というのは国民年金のみの話であって、これは実は年金財政の中では非常に少ない割合の話です。つまり、未納が続いた所で、年金財政の根本的なところに影響をあたえるようなものではないのです。実際に、国民年金保険料の未払いによる収入源は、保険料全体のわずか5%〜10%に満たない程度のものです。

2008年度の年金積立金は約172億円

また、年金は世代間扶養ということで、自転車操業であるかのように語られることもあり、現役が減っているために負担が増え制度が崩壊するという声もありますが、少なくとも2008年度においては積立金が172億円もあります。これは仮に税収というがなくなったとしても、丸々3年間は年金を支払い続けることができるだけの額です。それだけの貯蓄が年金財政にはあるわけで、実際に税収がゼロになるということはありませんので、制度としてそう簡単に破綻するわけがないのです。

 

 設立の背景

しかし、老後の生活を支える仕組みとしての年金というのは非常に優れたものです。この制度を世界で初めて開始したのがドイツで、1889年と1世紀以上さかのぼります。そうして、他の国でも制度が始められ、日本においては1942年に、この年金制度の産声が上がりました。

家族が高齢者の世話をしていた時代

公的年金が発足する前というのは、基本的に老人は家族によって養われてきました。今のように産業がまだ未発達であった時代のことです。多くの過程では手工業が行われていたため、仕事も自宅でということが珍しくなく、それゆえに年老いた親の介護を自宅でするというのもごく当たり前のことでした。

日本人の生活の変化

しかしながら、それが大量生産が常識となり、都市化が進行することも重なって、働き方そのものも変化したことで、状況は変わっていきます。また、医療が進歩したことにより、高齢の方の寿命はどんどん伸びていき、介護を必要とする時間も増えて行きました。日本においても、急激な工業化、また高齢化が進み、核家族が進むようになりました。

1人暮らしや核家族化の進行

結果として、親と離れて暮らす子供も増え、子供が一つ屋根の下で親を養うということが簡単では無くなって来ました。そこには介護をすることの負荷が高まり、家族だけでは手に負えなくなってきたという背景もあります。それらを理由として、拾の子供に変わってお年寄りの扶養を肩代わりすることを目的として、公的年金制度は急速に整備をされることになりました。つまり、社会全体が豊かになっていく中で、この公的年金制度というのは、どうしても必要な制度であったと言えるのです。

 

公的年金の魅力

安心を与えてくれる制度

年金制度の是非を判断するうえで一番のポイントは、しっかりと25年間支払い、受給基準を満たしていれば、一生涯の間、定まった金額をもらい続けることができるということです。

その額を厚労省のモデルケースをもとに考えてみると、65歳から受給を開始して、もし90歳まで生きるとするならば、なんと約7000万円ものお金をもらうことができるということです。この額だけ見ると、サラリーマンの生涯年収が約2〜3億円と言われる現代において、かなりの額になることがわかると思います。

障害年金などの制度も充実

また、病気や怪我で体に障害が出た場合には、「障害年金」をもらうことができますし、家族がなくなった場合には「遺族年金」も支給をされます。実は思っている以上に公的年金というのは国民をサポートしてくれる制度で、「老後の安心」を提供するという目的のためにかなりしっかりしている内容だと言えると思うのです。

 

以上の点を考えると、公的年金制度自体は未だ十分な魅力がある、老後のプランの一つだと考えられます。冒頭に書いたように悪いニュースは少なくありませんが、将来のことを考えると、払っておいたほうがよいと私は考えます。

 

公的年金の歴史

上記のような流れで始まった年金制度は約70年の間に様々なトピックスがありました。ここでは主なものをいくつかご紹介します。それぞれの細かい内容については、また別の記事にてご紹介をできたらと思います。

 

1942. 6  労働者年金保険法=男子現業労働者

1944.10  厚生年金保険法=男子事務労働者、女子に拡大。

1948~59  共済組合の統合再編

-1959   国家公務員共済組合法の改定

1961    通算年金制度の創設

1986年   第一次改悪(高齢化社会危機論)

1989年   第二次改悪(労働者間の助け合い解決論)

1994年   第三次改悪(高齢者金持ち論)(国民負担率抑制論)

1997年   基礎年金番号が導入

2000年   年金額改定方式や保険料免除制度の改正

2004年   年金給付と負担の見直しと改正

2010年   日本年金機構スタート

2010年   改正船員保険制度開始

 

公的年金の必要性

多くの改善による成果

これだけ多くの改正、見直しを経て現在の公的年金はあります。つまり、それだけ多くの問題点を是正して改善されたのが今の制度なのです。これだけでも、公的年季制度を信頼する一つの理由になるのではないでしょうか。もちろん完璧な制度ではありませんが、それでも上記の歴史を振り返ると、多くの人の努力によって培われてきたということがよくわかります。

公的年金が重要な収入源になっている

その結果と考えていいと思うのですが、2007年に行われた調査によると、高齢者世帯のの平均年間所得約300万円のうち、公的年金はその3分の2である200万円を占めているそうです。それだけ多くの比率が公的年金によって支えられているというわけです。この事実からわかるように、高齢者を支える役割というのは、長い歴史をかけて「家族」から「公的年金」へと移ったと考えて良いのではないかと思います。老後の生活において、それだけ重要な存在になっているのです。

 

老後のリスクヘッジのために

これは良い言い方ではないかもしれませんが、私たちは実は長生きをするほどにお金の面でリスクが増している面があります。それも高齢者の方で仕事をしている方、特に70歳を超えてまでというかたは極端に少ないはずで、そうなると当然無収入なわけですから、本来であればどんどんお金がなくなり、家計が苦しくなるはずです。これは長生きをするリスクだと言えます。

実は優れた制度である年金制度

その時に一番心強い味方になってくれるのが、「年金」なのです。年金というのは、社会的に見て、全ての人が、長生きをする人を支えている仕組みだと考えることもできます。この仕組があるから、私たちは普段はこのようなことを考えることもなく、日本の社会の中で生きていくことができるのです。このような仕組みというのは、民間の生命保険にはなく、ほかの金融商品にも見られない、優れた内容です。

年金制度に頼れないなら、資金繰りは非常に大変になる可能性

逆にこの強い武器がないとなると、老後を生き抜くことはとたんに困難になってきます。若いうちに投資で自分の試算を築けていればいいのですが、もし経済的な困難で年金を現役時に払えなかったのであれば、まさしく本当に退職後は無収入になってしまうわけです。それでも当然、生きていく上ではお金がかかります。自立をしていればまだいいですが、老人ホーム等の高齢者施設に入るとなると、さらに莫大なお金が必要になってきます。

高齢者の貧困問題の懸念

もし、そうやって自分の生活費を賄えないお年寄りが増えれば、それは生活保護の増加をも意味し、それこそが年金のみならず、日本の財政を破綻させる一因にもなりかねない問題ではないでしょうか。

 

以上のことを考えると、公的年金というのは、今から出来る限り払っておいたほうが良い制度だと言えます。2年間であれば、納付をすることはできますし、また他にもお得な制度があります。もし、これまで払っていなかった、払えなかった方は、どうやったら自分が規定の25年間に達することができるかを、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。お読みいただきありがとうございました(^^)

 

今後の記事では、年金制度のより詳しい仕組みや、歴史の詳細についてご紹介をしていけたらいいなと思っています。お読みいただき、ありがとうございました(^^)

 

【関連リンク】

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年金制度における基礎年金拠出金という問題点

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